「性教育」と聞いてどんな事をイメージしますか?
子どもは知らなくていい。
わざわざ言わなくても自然に分かることじゃないの?
寝た子を起こすは必要ない。
日本では性の話題は何となく避けられて、学校でも教えられる事は限られています。
一方、「性の教育」を受けていない子どもたちはと言うと、
自分の体の変化に悩み、誤った情報を信じてしまい予期せぬ妊娠に傷ついたり、性のトラブルに巻き込まれたりしています。とはいえ、何をどう伝えたらいいのかわからないという方も多いはずです。
今回は、「マミーズ助産院」助産師の金田葉子さんに家庭でできる性教育について教えていただきました。
性教育の必要性
実際の子どもたちの声は、
「結局何がダメで何がいいのかさっぱり分からない」
「知っている知識が正しいのかどうか分からない」
「包み隠さず全部話して欲しい」
「知っていたらそんな思いをしなかったのに」
子どもたちは知りたがっていると思いませんか?
性の情報は約30年前よりも600倍とも言われています。
正しい情報だけでなく、多くの間違った情報も溢れています。
誰かが正しい情報を教えてあげないと、子どもたちは容易に間違った情報を信じてしまう危険性があるのです。
では、いったい何をどこまで話せばいいのか。
必要なのは分かるけど、性の話題を自分の口から言うのは抵抗がある。
親世代は「性の教育」を受けていないので、具体的に何をどう伝えればいいのか分からなくても無理はありません。
性の教育の目的
「性の教育」は、単に体のメカニズムや体の成長、妊娠出産などのプロセスを伝えるものではなく、生きるための心を学ぶいのちの教育です。そういった視点から考えると、「性の教育」は大人が想像する、月経や射精、妊娠を教えることだけではない事がわかると思います。
5歳までに80%の子どもが「赤ちゃんはどこから生まれてくるの?」と疑問を持ち始めるそうです。
そんなふうに聞かれたらドキドキしてしまいますよね。こうした問いかけに親として大人としてどんな風に答えてあげたいですか?
「そんな事知らなくていい」
「もう少ししたら分かるから」
などと拒絶してしまうと、子どもたちは
「これは聞いてはいけないことなんだ」
と感じて心にブレーキをかけてしまいます。
そうするとネットや友人などからの間違った情報を信じることになりかねません。
子どもが聞いてきた時は聞く準備ができていると言うこと。
そして子どもたちが聞きたい事は
「自分が生まれてきた時どうだったか」と言う事なのです。
子どもたちが本当に聞きたい事は
「私が生まれてきて嬉しかった?」
「僕が生まれてきた時嬉しかった?」
なのです。ちょっと安心ですね。
「どこから生まれてきたの?」と聞かれる事もあると思います。
そんな時は子どもの発達段階を考えて肯定的に伝える事が大切です。
言いにくそうに、言葉を濁しながら伝えるのではなく、あたたかい気持ちになるような伝え方でお子さんのお誕生の物語を伝えてあげた方がいいと思いませんか?
伝え方
生まれてきたときのお話をする時、お母さんはつい大変だった事を伝えたくなるかもしれません。
でもお子さんに伝える時はぜひ、嬉しかった事を伝えて欲しいです。
「お産(妊娠中)は大変だったけど〇〇ちゃんに会えて嬉しかったよ」
「〇〇くんも一生懸命頑張って生まれてきたよ」
「早く会いたくて楽しみに待っていたよ」
帝王切開で生まれたお子さんには、
「赤ちゃんのお部屋に窓を開けてもらって生まれてきたよ」
「自分で窓を開けてって教えてくれたよ」
「みんなであなたのお誕生を喜んだんだよ」
と言う事を伝えて欲しいのです。
そうやって、
「自分の誕生を喜んでくれた人がいる」
「自分は頑張って生まれてきた」
と自分の誕生を肯定的に捉えられると、思春期になった時に自分を大切にできると言う事につながるのです。
そうした土台が出来上がってから、具体的な知識を伝えていくと子どもたちはしっかりと聞いてくれるようになります。
お家で、お母さんやお父さんだからこそできる性の教育の第一歩は、我が子のお誕生を伝えることなのです。
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日時:3月10日(水)10:00~10:45
場所:遠州信用金庫 湖西支店
講師:金田葉子 マミーズ助産院助産師
お申し込み・お問い合わせはお電話で
福祉イノベーションDo-zo(どうぞ)協同組合
℡ 053-548-4598