定年後の働き方と年金

ていねんごのはたらきかたとねんきん

【浜松の人気ファイナンシャルプランナー佐藤静香さんとのコラボレーション記事です】

人生100年時代に突入し、残りの人生を40年と考えたとき、あなたはどのような働き方を望むでしょうか。

豊かな生活をおくるため、やりがいのため、理由は様々ですが、60歳以降も働き続ける方が多くなっています。そんな方が給与と年金を同時にもらう場合、在職老齢年金制度により、給与額が一定以上になると、年金が一部減額もしくは全額カットされることがあります。たくさん働くと収入が増え、年金が減ってしまうことになります。

損しないように年金を受け取るためには、退職前の計画がポイントになってきます。仕事とやりたいことのバランスを上手にとるには、在職老齢年金制度の仕組みを理解することから。60歳以降の働き方について一緒に考えてみましょう。

在職老齢年金とは

60歳以上の人が厚生年金保険に加入しながら働く場合、収入額が多いと年金が減額される制度です。減額されるのは、厚生年金保険部分のみで国民年金部分は減額されません。個人事業主や、一定の勤務時間未満のパート・アルバイトの場合など、厚生年金保険に加入しない方は除外されます。遺族年金や障害年金など老齢年金以外の年金をもらっている場合は、厚生年金に入って働いても年金額は減りません。

ざっくりお話すると、60歳代前半の人が厚生年金に加入して働き続けた場合、1ヵ月あたりの収入と年金の合計が28万円を超えると、超えた額の2分の1相当額の年金が支給されなくなります。

例えば、60歳代前半の方の年金額が240万円(月額20万円)で、年収が240万円(月額20万円)ある場合、月額6万円の年金が減額されることになります。

65歳以上の人の場合は、1ヵ月あたりの収入と年金の合計が47万円を超えると、超えた額の2分の1相当額の年金が支給されなくなります。

具体的に計算方法を見ていきましょう。

在職老齢年金の計算方法

在職老齢年金は60歳から65歳までと、65歳以上とで計算方法が分かれます。

<60歳前半の在職老齢年金の計算方法>

  1. 年金の基本月額と給与の総報酬月額相当額の合計が28万円を超えなければ支給停止はありません。
  2. 上記の合計額が28万円を超える場合、基本月額と総報酬月額相当額により、受給金額が計算されます。
<65歳以降の在職老齢年金の計算方法>
  1. 年金の基本月額と給与の総報酬月額相当額の合計額が47万円を超えなければ支給停止はありません。
  2. 上記の合計額が47万円を超える場合、基本月額と総報酬月額相当額により、下記のように計算されます。
    ・受給金額=基本月額-(総報酬月額相当額+基本月額-47万円)×1/2

65歳以降の老齢基礎年金は全額受給できます。
対象になるのは老齢厚生年金の報酬比例部分です。

高年齢雇用継続給付金との関係性

高年齢雇用継続給付金とは、60歳到達時点の給与と比べて60歳以後の給与が75%未満に低下した場合に給付される給付金のことです。(雇用保険の加入が、過去通算で5年以上必要などの条件あり。)
例えば、定年時30万円だった月給が60歳以降に18万円になった場合、60%に下がりますので給付があります。61%未満に減額された場合は一律、現在の月給の15%が支給されますが、この給付金を受給することで在職老齢年金の一部が停止になることがあります。

その他、年金の繰り下げ受給との関係性など、気を付けなければいけない点がいくつかあります。今回ご紹介した制度について、細かい点が気になる場合は、毎月2回開催しているえんしん年金相談会にてプロの社会保険労務士が個別にて相談に応じます。

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現在、「在職老齢年金制度の見直し」をはじめ、70歳までの就業機会の確保を企業の努力義務とする法改正案や、確定拠出年金の加入延長など、人生100年時代を見据えた法整備が進んでいます。退職前にアンテナを高くして情報を得つつ、将来の働き方に備えましょう。

情報提供

しずかFP事務所 佐藤静香
ファイナンシャル・プランナー1級
CFP©(日本FP協会認定)
〒430-0926
静岡県浜松市中区砂山町341-1
URL:http://shizukafp.jp/

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