クレジットカード使いすぎ対策

近年、キャッシュレス決済が一般的になり、現金で支払いをしたりお釣りを受け取ったりという機会が減ってきました。

クレジットカードやQRコード決済など、衛生的で便利な社会となってきた一方で、「クレジットカードでお金を使いすぎてしまって家計をコントロールできない」というご相談も増えてきました。

現代社会では避けて通れないキャッシュレス決済、クレジットカードの使い方についても上手に管理する能力が求められています。

今回は、「家計のサポートセンター」代表のファイナンシャルプランナーの鈴木大輔先生に家計の管理術を教えていただきました。

使いすぎてしまう3つの要因

クレジットカードでお金を使いすぎてしまうメカニズムとして、3つの大きな要因があります。

  1. お金を使っている感覚がなくなる
  2. 24時間、出金不要で使えて便利
  3. ポイントなどのサービスに釣られる

お金を使っている感覚がなくなるというのは、実際現金を手にせず100円の決済も10万円の決済も同じ手続きのため、物の値段が高いか安いかの判断がつかなくなる、というものです。お財布から1万円札を10枚出すという行為が、無駄遣いに対して心理的にブレーキとなってくれるのですが、カード払いではそれがありません。

24時間、出金不要で使えて便利、というのも同様です。ATMでお金を下ろす時は実際の現金を手にするだけでなく、口座残高も気にするはずです。クレジットカードだと口座残高がなくても決済してしまうため、財布の中身どころか全ての貯蓄額に対して感覚が狂ってしまうのです。

ポイントなどのサービスに釣られる、というのもありがちです。たくさんポイントが付くからといってカードを作りすぎたり、使い方でカードを変えては見たけれどポイントの活用ができなかったり、結果的にほとんどメリットがなかったというケースもあります。

どれも当たり前のように聞こえるかもしれませんが、原因があればそれに対して対策を考えれば、無駄遣いを抑えることも可能になると考えられます。

キャッシュレス生活の家計管理術

家計簿アプリでデジタル的な管理能力を高める

クレジットカードは決済して口座から引き落とされるまで20〜40日ほどかかることもあり、今いくら位使っているのか、使いすぎかどうか、という感覚を鈍らせてしまいます。

それを解消するには家計簿アプリなどを活用して、今月は現時点でいくらお金を使っているかチェックする方法がおすすめです。こうしたアプリは登録しておくと決済時点でどのカードでどのお店でいくら決済したということを連携してくれます。アプリを起動して確認するだけで、今累計でいくら使っているのか、ということを確認できます。

自分で決めた予算以上に使っている事に気づいたら、不要不急の買い物はしないようブレーキを掛けましょう。

QRコード決済を利用して支出の色分け管理をする

ペイペイや楽天ペイ、d払いなどのQRコード決済に毎月予算ごとのチャージをして、その予算内で買い物をするという方法です。

例えば食費は月3万円、と決めたらペイペイに3万円分をチャージし、食費はペイペイで支払うと決めて買い物をするのです。そうすれば予算や残高も買い物をしながらチェックできますし、仮に超えてしまったとしても「今超えた、ここから先は予算オーバーなんだ」と気づくことができます。

ペイペイで支払いができないお店では買い物しない、というくらいの運用が良いかと思われます。

カードの利用上限額を下げてしまう

クレジットカードには利用上限額という、決済できる枠があるのですが、これを下げてしまって一定額以上は使えなくしてしまう、という方法です。

例えば上限額を10万円に下げてしまえば、10万円を超えた決済をしようとした時点でカードが通らなくなってしまいますので、「使いすぎなんだ」と気づくことができます。

この方法を取る時は、どうしても払わないといけない時に困ってしまいますので、バックアップで予備のクレジットカードや決済方法を用意しておくと良いでしょう。少しドキドキしながら支払うことになるかと思いますが、セルフレジなどを使えば恥ずかしい思いをしなくて済むでしょう。

分割払いやリボ払いは利用しない

通常の収支で賄えない支出は身の丈以上の買い物と心得ましょう。ボーナス払いなら払える、というのでしたらボーナスまで待って購入する、くらいの判断が必要です。

特に日頃の買い物、生活に必要なもので分割払いやリボ払いを利用するようになると多重債務への入口となる可能性が高まります。

ポイントやカードのサービスを考えるのは最後

今なら〇〇ポイントプレゼント、などの広告に釣られてしまう気持ちもよくわかりますが、こうしたサービスはあくまで「おまけ」です。

サービスのためにカードを作ったり追加の買い物をしてしまうと、結局ポイントなども分散され効果が薄れてしまったりします。

ポイントなどは一極集中とし、付与率などに惑わされず自分で決めた利用方針を貫きましょう。

自然に自分を律するルールを導入しましょう

世の中が便利になればなるほど、その便利を享受する一人ひとりの使い方、精神力が試されるようになります。

その場その場の判断がブレないよう、時として「少し不便に」なるようなルールを決めて使いこなしていきましょう。

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情報提供

家計のサポートセンター
代表ファイナンシャルプランナー 鈴木 大輔
日本FP協会認 AFP、2級ファイナンシャルプランニング技能士
住宅ローンアドバイザー
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